歯科検診

出来る限り定期的に行いたい歯科検診

一般に、人とは違って、犬や猫は虫歯にはなりにくいといわれています(まれにはあるようです)。
そうすると、歯科検診の必要性は低くなるようにも思えますが、実際には、虫歯ではなくても、歯周病などの口腔内のトラブルは多いので、ペットの歯科検診の重要性はとても高くなっています。
以下では、口腔内のトラブルにはどんなものがあるのかをご紹介します。

 

■歯石
歯石とは、細菌の巣ともいわれるプラーク(歯垢)が石灰化してしまった状態をいいます。プラークは、日常の歯磨きで取り除くことができますが、歯石になってしまうと、病院に行って除去してもらう必要があります。
歯石が溜まると、歯槽膿漏や歯周炎の原因となったり、ひどくなると歯が抜けてしまったり、炎症が鼻に広がって、咳や鼻汁が出るという症状が生じます。また、歯石で増殖した細菌が血液を通じて体内に広がってしまうと、心臓の内膜や肝臓、腎臓などの病気を引き起こすこともあります。
歯石は、早めに除去・予防することが重要です。病院では、麻酔をかけて、専用の器具で除去します。

 

■歯肉炎
歯石が溜まり、歯肉を圧迫することで歯茎が炎症を起こします。進行すると口臭がひどくなり、潰瘍を引き起こすこともあるため、早めに歯石を除去する処置をしないといけません。

 

■歯周病
歯肉や歯槽骨といった歯周組織が細菌に感染することで起こります。悪化すると歯を保持できなくなり、歯が脱落してしまう病気です。一度歯周病になると根治は難しいとされており、普段の歯磨きや、歯石の除去などで歯周病を予防することが肝心です。

 

■乳歯遺残
本来は永久歯に生え変わる時期になっても乳歯が残ってしまっている状態をいいます。通常は、4~7ヶ月の月齢で生え変わりますが、1歳を過ぎても乳歯が残っている場合には、抜歯の処置をします。
生え変わるべき時期に乳歯が残っていると、永久歯の成長に影響したり、不正咬合をおこしたりしやすくなるばかりでなく、歯周病の原因にもなります。